看護師国家試験対策!ちょっと息抜きに復習をしてみよう。

看護関連

皆さんは試験勉強は進んでいますか?

そこで、今回は看護学生さんに向けて看護師国家試験の問題集を作ってみました!

看護師国家試験の出題範囲は、、、

■人体の構造と機能
■疾病の成り立ちと回復の促進
■健康支援と社会保障制度
■基礎看護学
■成人看護学
■老年看護学
■小児看護学
■母性看護学
■精神看護学
■在宅看護論及び看護の統合と実践

となっています。

今回は、【人体の構造と機能】から50個の問題を考えました。

もしよければ、復習だと思ってやってみてください!

数多くの合格者が出てくれることを祈っています!

※この問題集はあくまで復習程度なので、これが出来たからといって試験に受かるわけではないことをご理解ください。


問1)肺の機能に関する次の説明のうち正しいものはどれですか?

a) 肺は二酸化炭素を吸収し、酸素を排出する。
b) 肺は酸素を吸収し、二酸化炭素を排出する。
c) 肺は酸素と二酸化炭素の交換を行わない。
d) 肺は酸素と二酸化炭素の生成に関与しない

【解答】b)

【解説】

a)
肺は酸素を吸収し、二酸化炭素を排出する。正確な機能は逆で、肺は吸気によって酸素を取り込み、同時に呼気によって二酸化炭素を排出します。吸気の際、酸素は肺胞で血液に取り込まれ、同時に体内の組織に送られます。逆に、組織で代謝された血液が肺に戻ると、二酸化炭素が肺胞に排出され、呼気によって体外に放出されます。

b)
肺は酸素を吸収し、二酸化炭素を排出する。これが正しい説明です。肺の主な機能は、酸素と二酸化炭素のガス交換を行うことです。

c)
肺は酸素と二酸化炭素の交換を行わない。これは誤りです。肺は血液とのガス交換を通じて、酸素を吸収し、二酸化炭素を排出します。

d)
肺は酸素と二酸化炭素の生成に関与しない。これも誤りです。肺は生成ではなく、ガスの交換を担当します。酸素は呼吸によって吸収され、組織で代謝された際に発生する二酸化炭素は肺で排出されます。

問2)血液中のヘモグロビンは主に何を運搬しますか?

a) 糖分
b) 酸素
c) アミノ酸
d) 脂質

【解答】b)

【解説】

a)
ヘモグロビンは糖分を運搬することはありません。糖分の運搬は主に血液中の別のタンパク質や構成要素によって行われます。

b)
ヘモグロビンは主に酸素を運搬します。ヘモグロビンは赤血球内に存在し、酸素を肺から組織へ運ぶ役割を果たしています。肺で酸素が吸収されると、酸素はヘモグロビンに結合し、酸素が不足している組織に運ばれます。同時に、組織で代謝された酸素を解放し、二酸化炭素を肺に運んで呼気に排出される過程が行われます。

c)
ヘモグロビンはアミノ酸を運搬することもありません。アミノ酸の運搬は主に血漿中のアミノ酸輸送体によって行われます。

d)
ヘモグロビンは脂質を運搬することもありません。脂質の運搬は主にリポタンパク質によって行われます。

問3)消化器系における胃の主な役割は何ですか?

a) 栄養の吸収
b) 食物の貯蔵
c) 食物の分解
d) 胆汁の生成

【解答】c)

【解説】

a)
胃では主に栄養の吸収は行われません。吸収は主に小腸で行われます。

b)
胃は食物を一時的に貯蔵する機能もありますが、その主な役割は分解です。貯蔵は一部行われますが、食物の消化と適切なタイミングで小腸に送り出すことが重要です。

c)
胃の主な役割は、食物の分解です。胃は食物を受け入れ、強力な酸と酵素を使ってそれを細かく分解します。これにより、食物が消化され、胃内での消化物が形成されます。この消化物は胃から小腸に送り出され、そこで栄養素の吸収が行われます。

d)
胆汁は肝臓で生成され、胆嚢で貯蔵されます。胃は胆汁を生成する役割はありません。胆汁は小腸で脂肪の消化と吸収を助けるために放出されます。

問4)膵臓が分泌するホルモンで、血糖値を下げる作用があるものは何ですか?

a) インスリン
b) グルカゴン
c) サイトカイン
d) アドレナリン

【解答】a)

【解説】

a)
インスリンは膵臓のベータ細胞から分泌され、血糖値を下げる作用があります。主な機能は細胞に対してブドウ糖の取り込みを促進し、肝臓や筋肉、脂肪組織でのブドウ糖の貯蔵を増加させることです。

b)
グルカゴンは膵臓のアルファ細胞から分泌され、血糖値を上げる作用があります。肝臓でのグリコーゲン分解や新生グルコースの産生を促進します。

c)
サイトカインは免疫系に関与するため、血糖値の調整には直接関係ありません。

d)
アドレナリンは副腎髄質から分泌され、ストレスや興奮時に増加します。これは一時的に血糖値を上昇させる働きがあります。

問5)腎臓の主な機能は何ですか?

a) 血液の生成
b) 尿の生成と水分バランスの維持
c) 血圧の調整
d) 酸素の供給

【解答】b)

【解説】

a)
血液の生成は主に骨髄によって行われます。腎臓は赤血球の生産に影響を与えるエリスロポエチンを分泌する役割がありますが、血液の生成自体は腎臓の主要な機能ではありません。

b)
腎臓は血液から余分な水分や老廃物を濾過し、尿として体外に排出します。また、腎臓は尿の生成を通じて体内の水分バランスを調整し、電解質のバランスを維持します。

c)
腎臓は血圧の調整にも関与しています。腎臓はレニンと呼ばれるホルモンを分泌し、これが血圧の調節に寄与します。

d)
酸素の供給は主に肺や血液を通じて行われます。腎臓は酸素供給の主要な役割を果たす器官ではありません。

問6)中枢神経系に属する器官はどれですか?

a) 脾臓
b) 甲状腺
c) 脳と脊髄
d) 肝臓

【解答】c)

【解説】

a)
脾臓は免疫系に関与する器官であり、中枢神経系には属しません。

b)
甲状腺: 甲状腺はホルモンの分泌や代謝調節に関与しますが、中枢神経系には属しません。

c)
脳と脊髄は中枢神経系に属します。脳は頭蓋骨内に収められており、感覚の処理、運動の制御、認知機能などを担当しています。脊髄は脊椎骨の中を通っており、体の各部からの神経信号を受け取り、脳に送る役割や逆に脳からの指令を体の各部に伝える役割を果たしています。

d)
肝臓: 肝臓は代謝や解毒に関与する器官であり、中枢神経系には直接関与しません。

問7)末梢神経系の主な機能は何ですか?

a) 呼吸の制御
b) 運動と感覚の伝達
c) 消化の促進
d) 血糖値の調節

【解答】b)

【解説】

a) 呼吸の制御:呼吸の制御は主に中枢神経系(脳と脊髄)によって行われます。中枢神経系は呼吸中枢を通じて呼吸のリズムや深さを調節します。これは末梢神経系の直接的な機能ではありません。

b) 運動と感覚の伝達:末梢神経系は運動神経と感覚神経から構成されており、運動神経は筋肉に信号を送り、感覚神経は身体の感覚情報を中枢神経系に伝えます。このため、運動や感覚の伝達が末梢神経系の主な機能となります。

c) 消化の促進:消化の促進は主に自律神経系によって調節されます。自律神経系は中枢神経系と一緒に機能しますが、末梢神経系だけでなく、中枢神経系も含まれています。したがって、これも末梢神経系の直接の機能ではありません。

d) 血糖値の調節:血糖値の調節も主に内分泌系(ホルモン)と自律神経系によって制御されます。これは末梢神経系の直接の機能ではなく、異なる生理学的システムが関与しています。

問8)視覚の感覚器官として働く部分はどれですか?

a) 舌
b) 耳
c) 眼
d) 鼻

【解答】c)
【解説】

a)
舌は味覚の感覚器官として知られており、主に味を感知します。

b)
耳は聴覚の感覚器官として機能し、音を感知して脳に伝達します。

c)
視覚は主に眼(目)によって感知されます。眼は光を検出し、その情報を視神経を介して脳に送り、視覚が生じます。眼は光を屈折して像を形成し、網膜上にその像を投影します。網膜の光感受性細胞(錐体と桿体)はこの像を視神経に変換し、その情報が視覚中枢に送られて視覚が生じます。

d)
鼻は嗅覚の感覚器官であり、香りや匂いを感知します。

問9)免疫系が異物に対抗するために生成する分子は何ですか?

a) ホルモン
b) 酵素
c) 抗体
d) グリコーゲン

【解答】

【解説】

問10)血圧の測定で用いられる「下の値」とは何ですか?

a) 拡張期血圧
b) 収縮期血圧
c) 平均動脈圧
d) 末梢抵抗

【解答】a)

【解説】

a)
血圧は通常、2つの数値で表されます。上の値が収縮期血圧(心臓が収縮して血液を送り出すときの最高血圧)、下の値が拡張期血圧(心臓が拡張して血液が戻ってくるときの最低血圧)です。これらの値はミリメートル水銀柱(mmHg)で表されます。
具体的には、収縮期血圧が心臓が収縮して血液を動脈に送り出すときの圧力を示し、拡張期血圧が心臓が拡張して充満した状態での圧力を示します。例えば、120/80 mmHgという表記の場合、120が収縮期血圧、80が拡張期血圧です。

b)
心臓が収縮して血液を送り出すときの最高血圧を示します。

c)
収縮期血圧と拡張期血圧の中間の値であり、通常はこれを計算することもあります。

d)
血管抵抗の概念であり、血管内の血液がどれだけ難く抵抗にあたるかを示すもので、血圧の調節に影響を与えますが、直接的に血圧の測定には用いられません。

問11)人体の神経系で、自主神経系に属するものはどれですか?

a) 交感神経
b) 体性神経
c) 中横神経
d) 末梢神経

【解答】a)

【解説】

自主神経系は、主に内臓器官や血管、腺体などの自動的な機能を制御するための神経系です。自主神経系は交感神経と副交感神経の2つの部分に分かれており、これらは対照的な作用を持っています。

a) 交感神経:
交感神経は通常、「戦うか逃げるか」の応答に関与しており、ストレスの状況や緊急時に反応します。交感神経の活動により、心拍数が増加し、気管支が拡張し、血圧が上昇します。また、消化活動は抑制されます。ノルアドレナリンが重要な神経伝達物質として作用します。

b) 副交感神経:
副交感神経は通常、「安静時の状態」や「休息・消化」に関与しており、体をリラックスさせ、エネルギーを節約します。副交感神経の活動により、心拍数が減少し、気管支が収縮し、消化活動が促進されます。アセチルコリンが副交感神経の主要な神経伝達物質として機能します。

c) 中横神経:
中横神経は実際には存在しない用語です。おそらく、「自律神経」として知られる自主神経系を指している可能性があります。

d) 末梢神経:
末梢神経は、中枢神経系(脳および脊髄)から体の末端に向かって伸びる神経線維の総称です。自主神経系の一部も含まれますが、自主神経系は交感神経と副交感神経に更に分かれています。

問12)リンパ系の主な機能は何ですか?

a) 血液循環の調節
b) 筋肉の動きの調整
c) 免疫細胞の生成
d) 体液の循環と免疫のサポート

【解答】d)

【解説】

リンパ系は体内の体液(リンパ)の循環を担当し、免疫機能にも関与しています。

体液の循環: リンパ系は組織から漏れ出た組織液や細胞間液を回収し、それをリンパ管を通じて循環させます。これにより、体内の水分や溶解した物質のバランスを維持し、組織の浮腫を防ぎます。

免疫のサポート: リンパ系は免疫系に密接に関連しています。リンパ節(リンパの通り道にある小さな組織)では、異物や病原体が検出され、免疫細胞が活性化されます。また、リンパ節内での免疫細胞の相互作用や抗体の生成が行われ、身体の防御機構が強化されます。

老廃物の排除: リンパ系は老廃物や細胞の代謝産物も回収し、それを排除する重要な機能を果たします。これにより、細胞の健康を維持し、組織中の不要な物質が蓄積しないようにします。

総じて、リンパ系は体内の液体のバランスを保ち、免疫機能を強化することで、体全体の健康をサポートしています。

問13)体温を調節する主要な器官はどれですか?

a) 皮膚
b) 肝臓
c) 脾臓
d) 膵臓

【解答】a)

【解説】

a) 皮膚
皮膚は体温調節において非常に重要な役割を果たしています。皮膚の表面には多数の汗腺があり、発汗を通じて体温を下げる働きがあります。また、血管も皮膚に走行しており、血管を通じて血液の流れを調節することで体温を調節します。冷えたときには血管を収縮させて熱の損失を抑え、暖かいときには血管を拡張させて熱を放出します。

b) 肝臓
肝臓は体温調節の中で間接的な役割を果たしています。代謝の過程でエネルギーが生成され、この過程には一定の熱が発生します。肝臓は代謝の調節に関与し、エネルギーの生成や分解を制御することで体温を一定に保つ助けをします。

c) 脾臓
脾臓は体温調節には直接関与していません。脾臓は主に免疫系統に関連した機能を担っており、血液の浄化や免疫細胞の貯蔵などに関与しています。

d) 膵臓
膵臓も体温調節には直接的には関与していません。膵臓は主に消化酵素やホルモンの分泌に関与しており、特に血糖の調節に重要な役割を果たしています。

問14)骨髄が生成する血液の主成分は何ですか?

a) 赤血球
b) 血小板
c) 白血球
d) 血漿

【解答】b)

【解説】

a) 赤血球:
赤血球は酸素を体中に運搬する役割を果たします。これらは骨髄で造られますが、主にヘモグロビンと呼ばれる酸素を結合するための蛋白質によって特徴づけられます。

b) 血小板
骨髄は造血器官であり、血液細胞の生成場所として知られています。血液の主成分は主に赤血球、白血球、血小板、および血漿から構成されています。しかし、骨髄が生成する中で、主に血小板が該当します。

c) 白血球:
白血球は免疫系に関与し、体を感染や異物から守る役割を果たします。骨髄で生成された後、血液中を巡回して免疫応答に関与します。

d) 血漿:
血漿は水分、栄養素、ホルモン、酵素などが含まれた液体部分で、赤血球、白血球、および血小板を運搬します。骨髄はこれらの血液成分を生成する役割を果たしますが、直接的に血漿そのものを生成するわけではありません。

問15)筋肉の収縮を制御する神経伝達物質は何ですか?

a) インスリン
b) グルカゴン
c) アセチルコリン
d) セロトニン

【解答】c)

【解説】

a) インスリン:
インスリンは膵臓から分泌され、血糖の調節に関与します。筋肉の収縮とは直接関連していません。

b) グルカゴン:
グルカゴンも膵臓から分泌され、血糖を上昇させる働きがあります。これも筋肉の収縮とは直接関係していません。

c) アセチルコリン
筋肉の収縮を制御する神経伝達物質はアセチルコリンです。神経系は、筋肉との結びつきである神経筋結合部でアセチルコリンを使います。
神経伝達のプロセスは、神経細胞からの神経インパルスがシナプスを通じて神経筋接合部に伝えられることから始まります。そこで、神経末端のシナプス小胞からアセチルコリンが放出され、この神経筋接合部の受容体に結合します。これにより、筋肉の収縮が引き起こされます。

d) セロトニン:
セロトニンは神経伝達物質であり、中枢神経系でさまざまな機能に関与しますが、筋肉の収縮を制御する直接的な役割はありません。

問16)脳の基本的な構造の中で、情報処理や感情の制御に関与する部分は次のうちどれですか?

a) 小脳
b) 大脳皮質
c) 視床下部
d) 辺縁系

【解答】d)

【解説】

d) 辺縁系
辺縁系は脳の基本的な構造の中で情報処理や感情の制御に関与する部分です。辺縁系は主に大脳の深部に位置し、主に以下の3つの主要な構成要素から成り立っています。

■扁桃体(Amygdala): 感情や記憶の処理に関与しています。特に恐怖反応や感情の形成に重要な役割を果たしています。
■海馬(Hippocampus): 新しい情報の学習や記憶の形成に関与しています。また、空間認識も担当しています。
■視床下部(Hypothalamus): 自律神経や内分泌系の制御に関与し、生理学的なプロセスや感情、ストレス応答などを調節します。

a) 小脳(Cerebellum):
小脳は運動の協調と平衡を調節するのが主な役割で、情報処理や感情の制御には直接関与していません。

b) 大脳皮質(Cerebral Cortex):
大脳皮質は知覚、思考、言語、意思決定など高次の認知機能を担当していますが、感情の制御や情報処理においては、主に辺縁系と協力して働きます。

問17)筋骨格系の主な機能は何ですか?

a) 血液の濾過
b) 姿勢の維持と運動
c) 免疫細胞の生成
d) 消化の促進

【解答】b)

【解説】

a) 血液の濾過:
血液の濾過は主に腎臓の役割であり、筋骨格系は直接的にはこの機能には関与しません。

b) 姿勢の維持と運動:
筋骨格系は、身体の骨や筋肉などから構成される系統で、主に姿勢の維持と運動を担当しています。

■姿勢の維持:
筋骨格系は骨、靭帯、筋肉などからなり、これらが協力して身体の姿勢を維持します。良好な姿勢は関節や骨の正常な機能を保ち、身体への負担を軽減します。
■運動:
筋骨格系は筋肉の収縮と弛緩を通じて様々な運動を可能にします。骨と筋肉が協力して動くことで、歩行、走行、持ち上げ、曲げ伸ばしなどの動作が可能となります。

c) 免疫細胞の生成:
免疫細胞の生成は主に骨髄やリンパ組織が担当しており、筋骨格系はこの機能には直接的には関与しません。

d) 消化の促進:
消化の促進は主に消化器官の筋肉(平滑筋)や神経系が担当しており、筋骨格系は直接的にはこの機能には関与しません。

問18)空気を肺に取り込む際、通常どの筋肉が収縮して呼吸を促進しますか?

a) 腹筋
b) 胸横筋
c) 横隔膜
d) 背中の筋肉

【解答】c)

【解説】

a) 腹筋:
腹筋は主に体の前面に位置しており、呼吸にはあまり直接的に関与しません。ただし、深い呼吸や強い呼気の際に、腹筋も補助的に活動することがあります。

b) 胸横筋:
胸横筋は主に肋骨間筋として知られ、肋骨を持ち上げる働きをします。しかし、通常の呼吸ではあまり活発には関与しません。

c) 横隔膜:
通常、空気を肺に取り込む際には横隔膜が収縮します。横隔膜は呼吸において主要な役割を果たす筋肉で、胸腔と腹腔を仕切る隔膜です。呼吸の過程で横隔膜が収縮すると、胸腔の容積が増加し、それに伴って気圧が低下します。この気圧の低下により、外部の空気が肺に吸い込まれます。

d) 背中の筋肉:
背中の筋肉は通常、呼吸には直接的には関与しません。背中の筋肉は体の姿勢や背骨の動きに寄与します。

問19)ホルモンによって血糖値が上昇する作用を持つのは次のうちどれですか?

a) インスリン
b) グルカゴン
c) アドレナリン
d) セロトニン

【解答】b)

【解説】

a) インスリン:
インスリンは、逆に血糖値を下げる作用を持つホルモンです。膵臓のベータ細胞から分泌され、細胞に糖を取り込むよう促し、肝臓での糖の合成や放出を抑制します。

b) グルカゴン:
グルカゴンは、血糖値を上昇させる作用を持つホルモンです。このホルモンは膵臓のアルファ細胞によって分泌されます。主な機能は、肝臓でグリコーゲンを糖に変えたり、新たに糖を合成することを促進することです。これにより、血液中の糖分が増加し、エネルギー供給を確保する役割を果たします。

c) アドレナリン:
アドレナリンはストレス時に分泌されるホルモンで、一時的に血糖値を上昇させる作用があります。これは主に肝臓での糖の合成や放出を促進することによるものです。

d) セロトニン:
セロトニンは主に神経伝達物質として知られ、血糖値の調節には直接関与しません。セロトニンは主に中枢神経系で様々な機能を担っています。

問20)赤血球の主な機能は何ですか?

a) 免疫応答の促進
b) 酸素の運搬
c) 血液凝固の促進
d) 毒素の排除

【解答】b)

【解説】

a) 免疫応答の促進:
赤血球は免疫応答には直接関与しません。免疫応答は主に白血球やリンパ組織によって担当されます。

b) 酸素の運搬:
赤血球の主な機能は酸素の運搬です。赤血球はヘモグロビンと呼ばれる酸素を結合する蛋白質を含んでおり、肺で酸素を取り込んだ後、その酸素を全身の組織や臓器に運搬します。酸素はヘモグロビンに結合し、酸素飽和した状態で循環系を通り、組織で酸素を放出して細胞の代謝に必要な酸素供給を行います。

c) 血液凝固の促進:
血液凝固は主に血小板や凝固因子などが関与するプロセスであり、赤血球はこれに直接的な関与を持ちません。

d) 毒素の排除:
赤血球は毒素の排除には関与しません。毒素の排除は主に肝臓や腎臓などの臓器によって行われます。

問21)脳の脊髄液(脳脊髄液)の主な役割は何ですか?

a) 血液の濾過
b) 神経細胞の栄養供給
c) 脳と脊髄の保護と浮揚
d) 酸素の供給

【解答】c)

【解説】

a) 血液の濾過:
脳脊髄液は主に血液の濾過を行う役割を持っていません。この機能は腎臓が担当します。

c) 脳と脊髄の保護と浮揚:
脳脊髄液は、脳と脊髄を取り巻く脳室や中枢神経系の周りに存在する液体です。その主な役割は、脳や脊髄を保護し、浮揚させることです。

■保護:
脳脊髄液は、脳や脊髄を外部の衝撃から保護します。脳は硬い骨で覆われていますが、脳室と脳脊髄液があることで外部の力が吸収され、軽減されます。
■浮揚:
脳脊髄液は脳室内に存在し、脳を軽く浮かせることで、脳にかかる圧力を軽減し、血管や神経組織に対する圧迫を防ぎます。

b) 神経細胞の栄養供給:
神経細胞への栄養供給は主に血液を介して行われます。脳脊髄液は栄養供給には関与しません。

d) 酸素の供給:
酸素の供給も主に血液を介して行われます。脳脊髄液は酸素の供給には直接関与しません。

問22)脂肪組織で蓄積される主なエネルギー貯蔵物質は何ですか?

a) グリコーゲン
b) グルコース
c) トリグリセリド
d) グルカゴン

【解答】c)

【解説】

a) グリコーゲン:
グリコーゲンは主に肝臓や筋肉に蓄えられる糖の多糖体です。短期間のエネルギー需要を満たすための即座のエネルギー供給源ですが、脂肪組織には蓄積されません。

b) グルコース:
グルコースは血液中や組織内でのエネルギー供給に使用されますが、脂肪組織には直接蓄積されることはありません。むしろ、余剰のグルコースは脂肪として合成され、トリグリセリドとして蓄積されることがあります。

c) トリグリセリド:
トリグリセリドは主に脂肪組織に蓄積され、エネルギーの長期的な貯蔵に利用されます。脂肪酸とグリセロールから構成され、代謝されると多くのエネルギーが放出されます。

d) グルカゴン:
グルカゴンは膵臓から分泌され、血糖値を上昇させる働きがありますが、エネルギーの蓄積とは直接的に関与しません。

問23)免疫系が異物に対抗するために発揮する防御機能には次のうちどれが含まれますか?

a) 発熱
b) 血糖値の上昇
c) 筋肉の収縮
d) 脈拍の増加

【解答】a)

【解説】

a) 発熱:
免疫系が異物に対抗するために発揮する防御機能の一部として、発熱が含まれます。発熱は体温の上昇を指し、これは炎症や感染に対する免疫応答の一環として起こります。高い体温は一部の病原体に対して有害であるため、免疫系は体温を上昇させてこれに対抗し、また白血球の活動を活発化させることで感染の制御を試みます。

b) 血糖値の上昇:
血糖値の上昇は主にストレス時や体のエネルギー需要が増加した際に起こりますが、これは直接的には免疫応答には関与しません。

c) 筋肉の収縮:
筋肉の収縮は主に運動や姿勢の制御に関与しますが、直接的には免疫応答とは関係ありません。

d) 脈拍の増加:
脈拍の増加は通常、ストレスや身体の活動増加によって引き起こされますが、これも直接的には免疫応答には関与しません。

問24)骨盤内に位置する器官で、生殖機能や尿の貯蔵・排出などに関与するのは次のうちどれですか?

a) 肝臓
b) 心臓
c) 腎臓
d) 膀胱

【解答】d)

【解説】

a) 肝臓:
肝臓は腹部に位置しており、主に代謝機能や解毒機能を担当しています。生殖機能や尿の貯蔵・排出には直接関与しません。

b) 心臓:
心臓は胸腔に位置し、血液のポンプとしての役割を果たします。生殖機能や尿の貯蔵・排出には直接関与しません。

c) 腎臓:
腎臓は腰の両側に位置し、尿の生成や電解質の調節、体液のバランスの維持などに関与しますが、直接的に尿の貯蔵や排出には関与しません。

d) 膀胱:
膀胱は骨盤内に位置し、尿の貯蔵と排出に関与する器官です。腎臓から生成された尿が尿道を通じて膀胱に蓄積され、適切なタイミングで膀胱の収縮によって尿が排出されます。膀胱は尿を一時的に貯蔵する能力があり、尿の排泄は個体が適切なタイミングで行えるようになります。

問25)涙液の主な成分は何ですか?

a) 血漿
b) 油分
c) 尿素
d) 唾液

【解答】a)

【解説】

a) 血漿:
涙液の主な成分は血漿です。涙液は主に水、塩類、蛋白質、および微量のグルコースなどから成り立っています。これらの成分は涙腺から分泌され、目の表面を保護し、潤し、清潔に保つ役割を果たしています。

b) 油分:
涙液には油分も含まれており、これが涙膜を形成し、蒸発を防ぎ、目の表面を保護します。ただし、主な成分は油ではなく血漿です。

c) 尿素:
尿素は主に尿中に存在し、涙液の主な成分ではありません。涙液に含まれる成分としては水や塩類が主要です。

d) 唾液:
唾液は口腔内で生成される液体で、主成分は水、イオン、酵素、蛋白質などです。涙液とは異なる分泌腺に由来する液体です。

問26)神経伝達物質セロトニンが関与するのは次のうちどれですか?

a) 筋肉の収縮
b) 情動の制御
c) 血糖値の調節
d) 胃液の分泌

【解答】b)

【解説】

a) 筋肉の収縮:
セロトニンは主に中枢神経系で作用し、筋肉の収縮には直接的には関与しません。筋肉の収縮には別の神経伝達物質であるアセチルコリンなどが関与します。

b) 情動の制御:
セロトニンは中枢神経系で重要な役割を果たす神経伝達物質の一つで、主に情動の制御に関与しています。セロトニンは感情の安定や調節に寄与し、不足すると気分の不安定さや抑うつの症状が引き起こることがあります。

c) 血糖値の調節:
セロトニンは血糖値の調節には直接関与しません。血糖値の調節は主に膵臓のホルモンであるインスリンやグルカゴンなどによって行われます。

d) 胃液の分泌:
セロトニンは中枢神経系で作用するため、胃液の分泌には直接的には影響を与えません。胃液の分泌は主に胃の内蔵神経系やホルモンによって制御されます。

問27)血液中で酸素と結合して酸素の輸送を補助するタンパク質は次のうちどれですか?

a) ヘモグロビン
b) アルブミン
c) フィブリノーゲン
d) グロブリン

【解答】a)

【解説】

a) ヘモグロビン:
ヘモグロビンは血液中で酸素と結合し、酸素の輸送を補助する主要なタンパク質です。ヘモグロビンは赤血球内に存在し、酸素を肺から組織や臓器に運搬します。ヘモグロビンは四つのサブユニットから構成され、各サブユニットには酸素が結合できるヘム基が含まれています。

b) アルブミン:
アルブミンは主に血液中の浸透圧を維持し、さまざまな物質の輸送を補助する役割がありますが、特に酸素の輸送には直接関与しません。

c) フィブリノーゲン:
フィブリノーゲンは凝固系の一部であり、血液凝固時にフィブリンに変換される蛋白質です。酸素の輸送には関与しません。

d) グロブリン:
グロブリンには様々な種類があり、免疫系の一環や酵素としての役割などがありますが、特に酸素の輸送には直接関与しません。

問28)呼吸器系において、気管支で分岐し気管支末端で気泡となる部分は何ですか?

a) 肺胞
b) 肺気管支
c) 気管
d) 肺小葉

【解答】a)

【解説】

a) 肺胞:
呼吸器系において、気管支で分岐し気管支末端で気泡となる部分は肺胞です。肺胞は気管支の末端に位置し、それぞれの肺胞は肺の基本的な構造単位で、酸素と二酸化炭素のガス交換が行われる場所です。

b) 肺気管支:
肺気管支は気管支が分岐した先の構造で、気管支からの分岐部であり、それぞれの肺における主要な気道です。肺気管支は肺の主要な分岐部であり、そこから細かな気道へと分かれていきます。

c) 気管:
気管は喉から分岐し、胸部にある気管支に繋がる空気の通り道です。気管は咽頭から始まり、気管支に至るまでの通気路の一部です。

d) 肺小葉:
肺小葉は肺の構造単位で、それぞれの小葉には複数の肺胞が含まれています。肺小葉は肺の組織の中で機能的にまとまった単位を形成しています。

問29)妊娠中において、胎児の栄養供給と老廃物の排泄を行う器官は何ですか?

a) 子宮
b) 卵巣
c) 絨毛膜
d) 胎盤

【解答】d)

【解説】

a) 子宮:
子宮は妊娠中において胎児の発育と発達のための場所として機能しますが、栄養供給や老廃物の排泄を主に担当するのは胎盤です。

b) 卵巣:
卵巣は卵子の形成や女性ホルモンの分泌を行いますが、妊娠中における胎児の栄養供給や老廃物の排泄には関与しません。

c) 絨毛膜:
絨毛膜は胎児の側から胎盤に接続され、胎盤の構成要素として関与します。絨毛膜は胎盤を通じて母体と胎児の間で物質の交換を行いますが、胎児の栄養供給や老廃物の排泄を直接担当するのは胎盤です。

d) 胎盤:
妊娠中、胎児の栄養供給と老廃物の排泄を行う主要な器官は胎盤です。胎盤は母体の子宮と胎児の絨毛膜に由来し、これらの組織が相互に結びついて形成されます。胎盤は酸素や栄養素を母体から胎児に供給し、胎児の代謝産物を母体に排泄します。

問30)赤血球の寿命が終わった後、その老廃物を分解する主要な臓器はどれですか?

a) 肝臓
b) 脾臓
c) 膵臓
d) 胃

【解答】b)

【解説】

a) 肝臓:
肝臓は主に代謝や解毒の機能を担当しますが、赤血球の老廃物を分解する主要な臓器ではありません。

b) 脾臓:
赤血球の寿命が終わると、古くなった赤血球は主に脾臓で分解されます。脾臓は血液の濾過を行い、古くなった赤血球や異常な赤血球を取り除く働きがあります。この過程では、ヘモグロビンなどの成分が再利用され、鉄などの要素が回収されて再利用されるか、体外に排泄されます。

c) 膵臓:
膵臓は主にインスリンや消化酵素の分泌に関与しますが、赤血球の老廃物の分解には関与しません。

d) 胃:
胃は主に消化のプロセスに関与し、赤血球の老廃物の分解には関与しません。

問31)血液凝固の過程において、フィブリノーゲンがフィブリンに変化する酵素は何ですか?

a) アミラーゼ
b) キナーゼ
c) トロンビン
d) ヘモグロビン

【解答】c)

【解説】

a) アミラーゼ:
アミラーゼは主に糖質を分解する酵素であり、血液凝固とは直接関係がありません。

b) キナーゼ:
「キナーゼ」は酵素の一種を指しますが、特定の酵素としては血液凝固に関与しません。キナーゼの名前を持つ酵素は様々な種類があり、異なる生化学的プロセスに関与しています。

c) トロンビン:
トロンビンは血液凝固の中で重要な役割を果たす酵素で、フィブリノーゲンをフィブリンに変化させます。この変換により、血液凝固の最終段階でフィブリンネットワークが形成され、傷口や損傷した血管を修復するのに役立ちます。

d) ヘモグロビン:
ヘモグロビンは酸素運搬に関与するタンパク質であり、血液凝固とは直接関係がありません。

問32)妊娠において胎児が子宮内で正しい位置に留まるために必要な器官は何ですか?

a) 卵巣
b) 子宮
c) 絨毛膜
d) 羊水

【解答】b)

【解説】

a) 卵巣:
卵巣は卵子の発育と排卵を担当しますが、胎児の正しい位置に留まるためには直接関与しません。

b) 子宮:
子宮は胎児の成長と発達のための安定した環境を提供します。子宮の壁は胎児を保護し、胎児が正しい位置に留まるのを助けます。子宮はまた子宮頸管を通じて膣と接続され、分娩の際に胎児が適切に進むことを可能にします。

c) 絨毛膜:
絨毛膜は胎児と母体の血液の交換を担当しますが、胎児の位置を維持する主要な器官ではありません。絨毛膜は胎児に酸素と栄養を供給し、代謝産物を母体に排泄します。

d) 羊水:
羊水は胎児を保護し、温度を維持し、圧力を分散する役割を果たしますが、直接的に胎児の位置を制御するものではありません。羊水は胎児が自由に動き回るのを可能にし、正しい位置に留まるための一般的な環境を提供します。

問33)体内で酸素と二酸化炭素のガス交換が行われる場所はどこですか?

a) 肺胞
b) 胃
c) 肝臓
d) 膵臓

【解答】a)

【解説】

a) 肺胞:
肺胞は肺の最小の構造単位で、肺の中に存在します。肺胞の中で酸素と二酸化炭素のガス交換が行われます。吸気によって肺に取り込まれた酸素が肺胞から毛細血管に拡散し、同時に血液中の二酸化炭素が肺胞に移動し、呼気によって体外に排出されます。このプロセスにより、酸素は肺胞から血液に取り込まれ、二酸化炭素は逆に体外に排出されることでガス交換が実現されます。

b) 胃:
胃は主に食物の消化を担当し、ガス交換の場所ではありません。酸素と二酸化炭素のガス交換は主に呼吸系統で行われます。

c) 肝臓:
肝臓は主に代謝活動や解毒などの機能を持っていますが、酸素と二酸化炭素のガス交換の場所ではありません。

d) 膵臓:
膵臓は主にインスリンやグルカゴンの分泌など、糖代謝に関与する臓器であり、ガス交換の場所ではありません。

問34)糖尿病患者がインスリンの分泌不足により血糖値が上昇する状態を何と呼びますか?

a) 低血糖
b) 高血糖
c) 貧血
d) 甲状腺機能亢進症

【解答】b)

【解説】

a) 低血糖:
低血糖は通常、過剰なインスリン分泌、食事の不足、または運動によって引き起こされます。これは血糖値が異常に低下した状態を指します。糖尿病患者が主に抱える問題は、通常は低血糖ではなく、むしろ高血糖です。

b) 高血糖:
糖尿病患者が主に抱える問題であり、インスリンの分泌不足やインスリンの効果不足により、血糖値が異常に上昇します。これは糖尿病の主な特徴であり、長期的には様々な合併症を引き起こす可能性があります。

c) 貧血:
貧血は血液中のヘモグロビンの減少によるもので、主に鉄欠乏やビタミンB12欠乏などが原因です。血糖値の上昇とは直接関係がありません。

d) 甲状腺機能亢進症:
甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンの過剰分泌によって引き起こされる状態であり、血糖値の上昇とは直接関係がありません。

問35)胃液中に含まれる酸性物質は、主にどの成分ですか?

a) クエン酸
b) 塩酸
c) 乳酸
d) グルコン酸

【解答】b)

【解説】

a) クエン酸:
クエン酸は柑橘類などに含まれる有機酸であり、胃液中の酸性物質ではありません。胃液の主要な酸は無機の塩酸です。

b) 塩酸:
胃液の主要な酸成分は塩酸です。塩酸は胃内で消化を助けるために分泌され、食物の消化と殺菌に寄与します。

c) 乳酸:
乳酸は主に乳製品や発酵食品に含まれる有機酸であり、胃液中の酸性物質ではありません。

d) グルコン酸:
グルコン酸も有機酸の一種であり、胃液中に主要な酸性物質として存在するものではありません。

問36)肝臓で生成され、膽汁に含まれる物質は何ですか?

a) グリコーゲン
b) インスリン
c) コレステロール
d) ビリルビン

【解答】c)

【解説】

a) グリコーゲン:
グリコーゲンは肝臓と筋肉で糖を貯蔵するための多糖類ですが、膽汁には含まれていません。膽汁は主に胆酸やコレステロールなどの成分で構成されます。

b) インスリン:
インスリンは膵臓から分泌され、血糖値の調節に関与しますが、肝臓で生成されたり膽汁に含まれたりする物質ではありません。

c) コレステロール:
肝臓はコレステロールを生成し、一部は膽汁中に分泌されます。膽汁に含まれるコレステロールは、脂肪の消化・吸収に重要な役割を果たします。

d) ビリルビン:
ビリルビンは赤血球の老廃物として生成され、肝臓で処理され、一部は膽汁に排泄されますが、質問の文脈ではコレステロールが膽汁に含まれる物質として言及されています。

問37)体温を調節するために汗腺から分泌される主要な物質は何ですか?

a) アセチルコリン
b) セロトニン
c) グリコーゲン
d) 水分

【解答】a)

【解説】

a) アセチルコリン:
汗腺は交感神経の刺激を受け、神経伝達物質としてアセチルコリンを分泌します。アセチルコリンの作用により、汗腺の分泌が促進され、汗が皮膚表面に分泌されます。これによって、蒸発する際の熱吸収が起き、体温調節が行われます。

b) セロトニン:
セロトニンは主に神経伝達物質として中枢神経系で機能し、体温調節には直接関与しません。セロトニンは主に気分や情緒の制御に影響を与えます。

c) グリコーゲン:
グリコーゲンは糖質の貯蔵形態であり、体温調節には直接関与しません。体温の調節は主に神経系と汗腺の働きによって行われます。

d) 水分:
汗は主に水分で構成されており、水分が蒸発することで体温が下がります。しかし、質問の文脈では汗を構成する具体的な物質を尋ねており、それはアセチルコリンです。

問38)呼吸器系で酸素と二酸化炭素のガス交換が行われる最も小さな単位は何ですか?

a) 気管
b) 肺胞
c) 気管支
d) 肺小葉

【解答】b)

【解説】

a) 気管:
気管は空気を吸入・吐出するための導管であり、ガス交換は行われません。気管の下に分岐していく気管支が肺の深部に到達し、ガス交換が行われる領域につながります。

b) 肺胞:
肺胞は肺の最小の構造単位で、肺の中に存在します。肺胞の中で酸素と二酸化炭素のガス交換が行われます。肺胞の壁と周囲の毛細血管の壁を通じて、酸素が肺胞から血液に取り込まれ、同時に血液中の二酸化炭素が肺胞に移動し、呼気として体外に排出されます。

c) 気管支:
気管支は気管から分岐して肺に入り、気管支の末端には肺胞があります。気管支自体は主に空気の通り道であり、ガス交換は気管支の末端で行われる肺胞で起こります。

d) 肺小葉:
肺小葉は肺の構造的な単位であり、複数の肺胞を含む小さな区画です。肺小葉は肺の機能的な単位として考えられますが、直接的なガス交換の場ではありません。ガス交換は肺胞内で行われます。

問39)血液中で酸素と結合して組織に酸素を供給する分子は何ですか?

a) ヘモグロビン
b) ミトコンドリア
c) メラニン
d) グリコーゲン

【解答】a)

【解説】

a) ヘモグロビン:
ヘモグロビンは赤血球内に存在するタンパク質で、酸素を結合して体中の組織に運搬します。肺で酸素を取り込んだヘモグロビンが酸素を結合し、酸素を必要な組織や細胞に運搬します。ヘモグロビンはまた、組織で酸素を放出し、同時に二酸化炭素を収集して肺に戻ります。

b) ミトコンドリア:
ミトコンドリアは細胞内の酸素を使用してエネルギーを生産する場所であり、酸素を運搬する役割は持っていません。ミトコンドリアでの酸素利用は呼吸鎖などのプロセスを通じて行われます。

c) メラニン:
メラニンは皮膚や毛髪の色素であり、酸素の運搬とは関係がありません。

d) グリコーゲン:
グリコーゲンは肝臓や筋肉などで貯蔵される多糖類であり、酸素の運搬には直接関与しません。グリコーゲンは主にエネルギーの貯蔵として機能します。

問40)中枢神経系で感覚情報を処理し、運動指令を発信する部分は何ですか?

a) 小脳
b) 大脳皮質
c) 脳幹
d) 視床下部

【解答】b)

【解説】

a) 小脳:
小脳は運動の調整や身体の姿勢の維持などに関与していますが、主に運動指令の発信ではなく、運動の協調と制御に寄与します。

b) 大脳皮質:
大脳皮質は脳の最も外側の層であり、感覚情報の処理や運動指令の発信など高次の認知機能を担当しています。感覚情報は大脳皮質に送られ、そこで解釈や処理が行われ、運動指令が発信されます。大脳皮質は感覚や運動に関連する複雑なタスクを担当しており、知覚、思考、言語、判断などの高次の機能も制御します。

c) 脳幹:
脳幹は自律神経の制御や基本的な生命維持機能に関与していますが、主に感覚情報の処理や高度な運動指令の発信ではなく、基本的な反射や呼吸、循環などの機能を調節します。

d) 視床下部:
視床下部は下垂体を通じて内分泌系を制御し、ホルモンの分泌に影響を与えますが、感覚情報の処理や運動指令の発信には直接関与しません。

問41)筋骨格系において、骨と骨をつなぐ組織は何ですか?

a) 血管
b) 神経
c) 筋肉
d) 靭帯

【解答】d)

【解説】

a) 血管:
血管は血液を運搬する役割を果たしますが、骨と骨を直接結ぶ組織ではありません。血管は骨に酸素や栄養を供給するために存在します。

b) 神経:
神経は情報の伝達を担当し、筋肉や感覚器官などに対して信号を送りますが、骨と骨を直接結ぶ組織ではありません。

c) 筋肉:
筋肉は骨に取り付き、骨を動かす役割を果たしますが、骨と骨を直接結ぶ組織ではありません。筋肉は通常、腱を介して骨に取り付いています。

d) 靭帯:
靭帯は骨と骨を結ぶ線維性の組織であり、特に関節周囲に存在します。靭帯は関節の安定性を提供し、骨同士をつなぎ、正確な位置に留まりつつ運動を可能にします。靭帯は伸縮性が少なく、強靭な組織で関節の適切な機能を維持します。

問42)脳と脊髄を保護し、衝撃吸収の機能を果たす膜は何ですか?

a) 筋膜
b) 骨膜
c) 軟骨膜
d) 髄膜

【解答】d)

【解説】

a) 筋膜:
筋膜は筋肉を包み込む結合組織であり、脳や脊髄を保護する役割はありません。主に筋肉の形状を維持し、筋肉同士を分ける働きをします。

b) 骨膜:
骨膜は骨を覆う膜状の組織であり、脳や脊髄を保護する役割はありません。骨膜は骨の表面を覆い、骨の成長や修復に関与します。

c) 軟骨膜:
「軟骨膜」は解剖学的な文脈では一般的に使われない用語であり、通常の解釈ではない可能性があります。通常の用語では、軟骨は関節の表面や鼻や耳などの部位で見られる結合組織を指します。

d) 髄膜:
髄膜は中枢神経系(脳および脊髄)を覆う膜で、脳脊髄液とともに脳や脊髄を保護します。髄膜は3つの層から構成されており、外側から順に硬膜、くも膜(クモ膜またはアラクノイド膜)、軟膜(ピアメータ)があります。これらの膜は機械的な保護だけでなく、衝撃吸収や脳脊髄液の循環を通じても保護の役割を果たしています。

問43)血液凝固過程において、線維が形成されて傷口を塞ぐ役割を果たすのは何ですか?

a) フィブリノーゲン
b) トロンビン
c) フィブリン
d) プロトロンビン

【解答】c)

【解説】

a) フィブリノーゲン:
フィブリノーゲンは血漿中に存在するタンパク質で、血液凝固の初期段階で活性なフィブリンへと変化します。フィブリノーゲン自体は線維を形成する能力を持たないが、フィブリンへと変化することで線維が形成されます。

b) トロンビン:
トロンビンは凝固カスケードの鍵となる酵素で、フィブリノーゲンを切断して不溶性のフィブリンへと変換します。このフィブリンが線維を形成し、血液凝固の最終的な段階で傷口を塞ぐ役割を果たします。

c) フィブリン:
フィブリンはトロンビンの作用によりフィブリノーゲンから生じた不溶性のタンパク質です。フィブリンが線維状のネットワークを形成し、血小板や赤血球を結びつけて血液凝固のための塊を作り出します。これにより傷口が塞がり、出血が止まります。

d) プロトロンビン:
プロトロンビンは血漿中に存在するタンパク質で、トロンビンへと変換される前段階の形態です。プロトロンビンは血液凝固のカスケードにおいて重要な役割を果たしますが、直接的には傷口を塞ぐ線維を形成することはありません。

問44)消化器系において、栄養素の吸収が主に行われる場所はどこですか?

a) 胃
b) 小腸
c) 大腸
d) 十二指腸

【解答】b)

【解説】

a) 胃:
胃は主に食物の消化を担当しますが、栄養素の吸収は胃ではほとんど行われません。胃内での主な役割は、食物を酸と酵素で分解し、部分的な消化を促進することです。

b) 小腸:
小腸は消化管の中で主要な吸収器官であり、栄養素のほとんどがここで吸収されます。小腸は三つの部分に分かれています:十二指腸、空腸、回腸。これらの部分では、消化酵素や胆汁が加えられ、栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質)、ビタミン、ミネラルなどが吸収されます。

c) 大腸:
大腸では主に水分や電解質の吸収が行われ、形成された便を濃縮して固形にします。栄養素の吸収は主に小腸で行われるため、大腸では栄養素の吸収は限定的です。

d) 十二指腸:
十二指腸は小腸の最初の部分で、胆汁と膵液が分泌され、食物の消化が続きます。しかし、栄養素の吸収は主に十二指腸以降の小腸の部分で行われます。

問45)免疫系が異物に対抗する際、最初に関与する細胞は何ですか?

a) マクロファージ
b) B細胞
c) T細胞
d) 顆粒球

【解答】d)

【解説】

a) マクロファージ:
マクロファージは免疫応答の中で非常に重要な役割を果たしますが、最初に関与する細胞としてより顕著なのは顆粒球です。マクロファージは異物や細菌を取り込んで消化・分解する能力があり、後続の免疫応答にも関与します。

b) B細胞:
B細胞は抗体を産生する細胞であり、免疫系の中で異物への特異的な応答を提供します。B細胞は異物に遭遇すると活性化され、抗体を産生することで異物への攻撃を促進します。ただし、B細胞の活性化は相対的に顆粒球よりも後の段階で起こります。

c) T細胞:
T細胞も異物への免疫応答に関与しますが、T細胞の活性化もB細胞と同様に相対的に後の段階で起こります。

d) 顆粒球:
顆粒球は最初に異物に対して反応し、異物を取り込んで消化します。これによって急速かつ非特異的な防御が提供されます。顆粒球は炎症反応にも関与し、免疫応答の初期段階で重要な役割を果たします。

問46)眼の水晶体が老化によって透明性を失い、視力が低下する状態は何と呼ばれますか?

a) 白内障
b) 緑内障
c) 角膜炎
d) 近視

【解答】a)

【解説】

a) 白内障:
白内障は眼の水晶体が濁り、透明性を失う病態を指します。これにより、光が正確に網膜に届かず、視力が低下します。白内障は主に加齢に伴って進行するもので、他にも外傷や炎症、先天性の要因などが原因となることもあります。

b) 緑内障:
緑内障は眼圧の異常によって視神経が損傷する病態であり、白内障とは異なる症状とメカニズムを持っています。緑内障は視野の狭窄や視力の減少などを引き起こすことがあります。

c) 角膜炎:
角膜炎は角膜の炎症を指し、通常は白内障とは異なる原因や症状があります。角膜炎は感染や外傷、乾燥などが原因で発生することがあります。

d) 近視:
近視は眼軸が長くなり、遠くの物が見えにくくなる状態を指します。近視は主に眼球の形状の変化によって引き起こされ、白内障とは異なる病態です。

問47)骨の成長を促進し、カルシウムの吸収を調節するホルモンは何ですか?

a) サイロキシン
b) インスリン
c) パラサイロイドホルモン
d) 成長ホルモン

【解答】d)

【解説】

a) サイロキシン:
サイロキシンは甲状腺から分泌されるホルモンであり、代謝率を調節しますが、骨の成長やカルシウムの吸収を直接促進する役割はありません。

b) インスリン:
インスリンは膵臓から分泌され、血糖値を下げる働きを持つホルモンです。骨の成長やカルシウムの吸収には直接関与しません。

c) パラサイロイドホルモン:
パラサイロイドホルモンは甲状腺の一部である副甲状腺から分泌され、カルシウムやリンの代謝を調節しますが、骨の成長を促進する主要なホルモンではありません。パラサイロイドホルモンは主に骨からカルシウムを溶解して血中のカルシウム濃度を調節する役割を果たします。

d) 成長ホルモン:
成長ホルモンは前庭下垂体から分泌され、骨の成長を促進する主要なホルモンの一つです。特に幼少期において、成長ホルモンは軟骨細胞の分裂と骨の長さの増加を促進します。同時に、成長ホルモンは腸管でのカルシウムの吸収を増加させる効果もあります。

問48)筋肉の運動において、神経からの信号によって起こる筋肉の収縮を何と呼びますか?

a) 休息期
b) 反射
c) 働き
d) 収縮期

【解答】d)

【解説】

a) 休息期:
休息期は筋肉が収縮していない状態、つまり筋肉が静止している時期を指します。この期間では神経からの信号による筋収縮が行われていません。

b) 反射:
反射は通常、神経系が刺激に対して自動的に反応するプロセスを指しますが、この文脈では筋肉の収縮に関連する用語ではありません。

c) 働き:
「働き」は広義には筋肉の機能全般を指す言葉ですが、特に神経からの信号による筋収縮を特定して表現しているわけではありません。

d) 収縮期:
収縮期は特に心筋において心臓の収縮を指すことがあり、一般的には筋肉が短縮する期間を指すこともあります。一般的な筋肉における収縮期は、神経からの信号によって筋線維が短縮する期間を指します。このプロセスは神経と筋肉の連携によって制御され、運動や力の発生に関与します。

問49)血液中の総赤血球量を測定するための検査は何ですか?

a) 胸部X線
b) 血液型検査
c) 血液沈降率検査
d) 赤血球計算

【解答】d)

【解説】

a) 胸部X線:
胸部X線は主に肺や胸腔の画像を得るための検査であり、血液中の赤血球量を測定するのには直接関連していません。

b) 血液型検査:
血液型検査は、血液中の特定の抗原や抗体の有無を確認するためのものであり、赤血球量を直接測定するものではありません。

c) 血液沈降率検査:
血液沈降率検査は炎症の程度を評価するためのものであり、赤血球の数量そのものを測定するものではありません。この検査では赤血球の沈降速度が測定されます。

d) 赤血球計算:
赤血球計算は、血液中の赤血球の数量を数えることで総赤血球量を評価する検査です。通常は完全血球計算(CBC)と呼ばれる検査パネルの一部として行われ、自動的な血球計数装置を用いて赤血球の数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値などが測定されます。

問50)腎臓の基本的な機能の一つで、血液中の余分な水分や老廃物を取り除き、尿を生成するプロセスは何と呼ばれますか?

a) 血液濾過
b) 血糖生成
c) 血液凝固
d) 血管拡張

【解答】a)

【解説】

a) 血液濾過:
腎臓の基本的な機能の一つは、血液中の余分な水分や老廃物を取り除くことです。このプロセスは「血液濾過」または「腎ろ過」と呼ばれ、腎臓の小単位である腎単位で行われます。ここで、血液中の水分や溶解した物質が腎臓の糸球体から腎小管へと濾過され、後に再吸収や分泌などのプロセスを経て尿が形成されます。

b) 血糖生成:
血糖生成は主に肝臓で行われるプロセスであり、腎臓の主要な機能ではありません。肝臓は、糖新生と呼ばれるプロセスを通じて、体内で必要な血糖を生成します。

c) 血液凝固:
血液凝固は主に血液中の凝固因子によって制御され、腎臓の機能とは直接関係しません。血液凝固は体内で傷口を修復するために重要なプロセスです。

d) 血管拡張:
血管拡張は血管の径が広がる現象であり、腎臓の主要な機能ではありません。血管拡張や収縮は血圧調節に関与することがありますが、これは腎臓によって行われる直接的なプロセスではありません。

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